ルーサー・バーバンク 『植物の神秘生活 』… Book

  20, 2011 13:39
先日、『世界ふしぎ発見!』 を何気に?見ていて、
『ルーサー・バーバンク(Luther Burbank)』という言葉(名前)が聞こえてきた時、
ハッとしました。
懐かしい名前だったので … (おかしな表現かもしれませんが)
部屋の本棚を見、久しぶりに手に取った本。

植物の神秘生活植物の神秘生活
(1987/05)
ピーター・トムプキンズ、クリストファー・バード 他
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随分前に、友人に薦められて読んだ本です。
感動した、というのでしょうか、共感した、というのでしょうか、
その時は、3・4回、繰り返し読んだ記憶があります。
物心ついた頃から? 「自然が好き!」 という想いがあり、
詳しくはないのですが、
植物たち、自然から受ける、フィーリング、というのでしょうか、
こちらに何かを発している?ような感じがして、
そして、こちら(人間)の思いなども、伝わっている、と。
なんとなく、そんな風に思っていたので、
この本を読んだ時は、やっと出合えた、と、とても嬉しくなったものでした。
この本の中で、ルーサー・バーバンクの事は、
13~14ページほどしか書かれていないのですが、
彼の言葉で、とても心に残る言葉を、ここに書き留めておきます。
  … 少し長くなります …

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 トゲのないサボテンを開発したという話。
 「サボテンで実験を行っている間、私はしばしばサボテンに語りかけ、
 愛の振動を与えた。私はいつもこう言った。
 ≪お前たちには恐れるものなど何もないんだよ≫
 ≪身を守るトゲは要らないよ。私がお前たちを守ってあげるから≫」。
 バーバンクは、どんな実験においても、
 いつも彼は植物に彼の秘密を打ち明け、
 植物に力になってくれるよう頼み、
 植物の小さな生命に対して甚深の敬意と愛情を抱いていることを
 植物たちに納得してもらうのだ。

 「子供の自発性や遊びを犠牲にして、
 本に書かれている知識の進路に子供を≪無理強い≫することより、
 子供がよい神経系をもつことの方がずっと大切なのである。
 子供は楽しみを通して学ぶのがよいのであって、
 苦痛を通して学ばせてはならない。
 大人になってから本当に役に立つものの大部分は、
 遊びや自然との共同生活を通して子供たちの手に入るのである」。

 普遍的で永遠なる自然法則のどれを研究するにせよ、
 巨大な星あるいはもっとも小さな植物の生命、生長、構造、運動に関してであろうと、
 人間の脳の心理学的運動に関してであろうと、
 われわれが自然の解釈者の一人になったり、
 世の中のために価値ある仕事を創造する者の一人になることができるには、
 必要条件というものが幾つかあります。
 それは諸々の偏見、定説、それに一切の個人的な偏見と先入観を
 取除いておかなくてはならないということです。
 そして忍耐強く、静かに、敬虔に、自然が教えてくれるはずの授業に、
 一つ一つ耳を傾けて従っていくことです。
 そうすれば、自然は以前謎であったものに光を注いでくれますから、
 欲する者は誰でも見て知ることができるようになります。
 自然は受け身で受容力のある人にのみその真理を伝授してくれます。
 これらの真理を、それがわれわれをどこへ導いて行こうと、
 示唆された通りに受け入れるとき、
 われわれは全宇宙が協調してくれているのを経験するのです。
 人間はついに科学のためのしっかりした基礎を発見しました。
 それは人間が、形態においては永遠に変りやすく、
 実体においては永遠に不変である宇宙の一部なのだということにほかなりません。

  5.gif

不思議な出来事?も書かれてありましたので、こちらもここに書き留めます。

 1906年4月18日サンフランシスコをほとんど荒廃させた地震で
 サンタローザも灰燼(かいじん)と瓦礫の山に帰したとき、
 途方に暮れた住人たちは、町の中心から遠くない
 バーバンクの巨大な温室の窓ガラスが一枚もひびさえ入らなかったことを知って、
 またまた唖然とした。 

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そして、個人的に何かしら嬉しかったこと ^^
番組の中で紹介されていた、
大好きな、シャスター・デージー(Shasta daisy)の花は、
バーバンクによって作り出された植物だった、ということ ^^
以前、種を蒔いて育てたことがあるのでス。
宿根草(しゅっこんそう)なので、毎年咲いていたのですが、
母が引き抜いてしまったようで … (ノ_・、)シクシク
もう、今年は無理ですが、
来年、咲かせてみたいナ ^^


… 拍手を、どうもありがとうございます m(_ _)m
  心から嬉しく思います ^^
  この本を読んでから、植物たちを見ると、
  何か声が聞こえてくるかも ? ナンテ ^^ …
緑の錬金術師

LUTHER BURBANK

1. 世界を驚かした植物たち

かつて,世界の発明家というと,誰でもアメリカのエジソンとバーバンクの名をあげていた。一方は電気機械の発明家,もう一方は農作物や植物の発明家である。
 しかしこのいま,ルーサー・バーバンク(1849~1926)を知る人はほとんどいない。
 彼が苦心のすえに改良し育成した植物たちは,なんと3000種類にものぼる。なのに,どの植物がそうなのかさえわからなくなっている。
 たとえばどこの国の花壇でも,なにげなく咲いている・白色の大輪をもつ優雅なキク,シャスタ・デージー。白く澄みきった不思議な色をしている。これが我々の心にあたえた影響ははかりしれない。(写真)
 なのに手元の植物図鑑を見ても「交配により作出したといわれる」とあるだけ。「といわれる」とは,曖昧な書き方だ。自然の植物かもしれないというのだろうか。
 だが,これはバーバンクの傑作作物だったのだ。この花は,遠くはなれた4か国の野性キクを交配し淘汰してできた。自然には絶対にできないものだ。
 この植物は,親たちの悪いところをすべて捨て去って,よいところだけを受けついでいる。そしてカリフォルニアのシャスタ山の,つねに清らかで真っ白な雪にちなんで名づけられたのである。
 この白さは,日本の北海道や三陸の海浜にさくコハマギクから取りこんだものである。それで植物学者の牧野富太郎はシャスタ・デージーに「クリサンテマム・バーバンキ・マキノ」という学名をつけている。
 この花はすぐに,世界中にひろまっていった。どんな気候風土で,どんな育て方をしても,平均して立派な咲く花をつくる。そんな野ギクの理想型を実現してみよう,というのが彼の目的であった。
 そもそもこの植物発明家が有名になったのは,ジャガイモという地味な作物の育種(品種改良)によってであった。彼が若いころに改良した「バーバンク・ポテト」は,それまでのものとちがい,長細い形をしている。
 干ばつや病害につよく,アメリカ農務省に認められて,各地に配られたほどだ。またアイルランドに持ちこまれ,飢饉からすくったとのことである。
 さらに彼は,とても奇妙なジャガイモをつくっている。それはトマトの台木にジャガイモを接ぎ木してできたものだ。
 そうすると,もちろん地中にイモはできない。また,地上に果実はできない。だがジャガイモの,イモをつくる能力はしっかりのこっている。では,どうするか。
 そこで空中に,じつに珍妙な形をした「空中ポテト」ができるのだ。これは緑色をしており,とてもイモとはおもえない。しかしトマトの影響はまったくなく,純粋のイモである。
 彼はさらに,ジャガイモの花にトマトの花粉を受粉させて「ポマト」をつくった。これはイモができず,ちいさいトマトのような果実できて食べられ,よい香りがする。
 果肉は白くてひきしまり,酸っぱさと甘さが適度にまじって独特のうまい味がする。しかも貯蔵ができるという長所がある。これらと似た植物は,現在,遺伝子技術でもつくられており,「ポマト」と名づけられている。だが「ポマト」という名前はもともとバーバンクがつけたのだった。
 バーバンクはなんと,一つの新しい生物種さえつくりだしている。それが「プライマス・ベリー」(第一のキイチゴ)だ。じつに,人類がはじめてつくりだした,記念すべき第一の種なのであった。 これはカリフォルニアの野性キイチゴと,遠いシベリアの野性キイチゴを交配してつくられたものである。
 その新しいキイチゴは,形も色も味も,まったく両親とちがっていた。しかもその子孫にも新性質はひきつがれたのだ。だから新しい生物種としてもいい。
 バーバンクはほか,さまざまな果物の改良をてがけた。なかでも果樹関係者をびっくりさせたのは,種子のないプラムだ。いまはありふれた種子なし果実というのも,彼が最初であった。彼ははじめ,種子のないプラムがフランスにあるということを聞き,とても興味をひかれ,とりよせた。しかしそれは,実が小さくしかも食べられず,さらに種子の一部分が欠けているだけのものであった。
 ふつうなら,それでがっかりするだけである。しかし彼は,その種子が堅い殻を捨てたがっていることを見ぬいた。そして交配と淘汰を何度もかさねたあげく,ついに本物の種子なしプラムをつくりだしたのである。このするどい眼力と根気が彼の技術の特徴であるといえる。

2. トゲのないサボテンの真相

 バーバンクのつくりだした作物のうちで,世界をもっともびっくり仰天させたのは,なんといっても「トゲなしサボテン」である。のっぺらとしたサボテン。
 だがなぜ,そんな奇妙な植物を,この世に登場させたのだろうか。
 サボテンはトゲという凶器をもった悪者であり,動物たちの敵である。バーバンクはそうかんがえていた。それを動物や人間のよき友と変えてしまうには,その悪い性質をなくさなくてはならない。
 なにしろサボテンの葉や実には,栄養分がたっぷり含まれている。家畜のえさにもなれば,人間の食べ物にさえなる。サボテンは食べられるのだ。
 しかもサボテンは,砂漠のような荒れ地でもどんどん育つ。また高温でも低温でも育つのだ。こんなたのもしい,よき友はないではないか。サボテンの品種改良は,ぜひとも必要なのだ。彼は将来の食糧問題を解決する要所を,サボテンにみていたのである。
 だがサボテンには悪い性質が二つもある。一つはもちろんトゲである。もう一つは,とても消化しにくく繊維だらけだということである。この二大欠点をどのようにしてなおせばよいのか。
 そこでバーバンクが目をつけたのが,ウチワサボテンである。
 このサボテンは名前どおりウチワの形をしており,平べったくて,ぶ厚い葉をもっている。バーバンクは,インドやアラスカまで,とにかく世界中からこの種類のサボテンで,役立ちそうなものをあつめてみた。
 その数は何万にものぼる。そうして花粉を交配して,何十万というたくさんの雑種をつくった。とにかく数がおおければ,そのなかにトゲのないものもあるだろう。
 しかし5~6年かけても,相変わらずで,よさそうなものはでなかった。
 やはりトゲがついていたし,肉質の繊維もかたかった。サボテンは他の植物とくらべて,とても強情なのだ。しかもそのトゲは,交配の仕事をするバーバンクの全身のいたるところをつき刺して,ひどく彼を苦しめた。
 成果はなく,苦痛ばかり。しかし彼は,それでもあきらめることはなかった。それどころか今度は,サボテンのひとつひとつをていねいに調べていく。
 すると,微妙な変化を見つけたのである。ごくわずかな数だが,トゲのすくないサボテンがたしかにあったのだ。
 バーバンクは,このように変化したサボテンだけを集めた。さらに花粉の交配をおこない,またトゲのすくないものだけを注意ぶかく集め,また交配する。この交配と淘汰を何度も何度も根気よくくりかえした。(写真)
 そうしてさらに10年もの歳月。ついに葉にも実にも幹にもトゲのないサボテンができた! しかも食べられるものだ。その葉の大きさは,長さ30センチ以上,幅15センチ以上,厚さは3センチといった堂々たるものである。
 しかも,その実がすばらしい。形は樽のようで長さは10センチ,太さは7センチくらい。果肉の色は黄色や赤色をしている。
 そして味がいい。人によって,メロンの味だとか,パイナップルの味だとか,イチゴの味だとか,さまざまに分かれるというのが面白い。とにかく,これまで食べたこともない不思議なフルーツの味なのだった。
3. 植物の環境としての人類

 トゲないサボテンづくりは,バーバンクの仕事のなかで,とりわけ苦痛のはげしいものであった。何度もやめようと思った。だが彼はそれをあきらめなかった。
 なぜなのだろう。
 人類の将来の食糧を確保するという高尚な使命感があったからなのだろうか。いや,もっと深い意義があるのだ。彼はこの「もっとも困難な仕事」を「魂を試練する苦難の仕事」とよんでいる。
 魂といっても,根性をためすなどというけちな意味ではない。バーバンクは,さまざまな植物を育成するなかで,自分の進化論をあたためてきた。
 それを,さらにサボテンで実現しようとした。ということは,進化を人間の手によって促進しようというのである。これは品種改良というレベルをはるかにこえている。
 まさに神になりかわろうという,大胆かつ不遜なチャレンジのようにみえるだろう。これは生物を思いどおりの形にねじまげる,現代の遺伝子工学の先駆のようである。
 しかしそうではない。それとは正反対の,植物への「奉仕」なのだ。そこにバーバンクの進化論や育種技術の特色がある。
 彼はサボテンの長い進化の歴史を考えていた。サボテンというのは,とても苦いか,毒があるか,トゲがある。これらの難点は,サボテンの本来の性質であるとされている。
 それならば,トゲがなくて食べられるサボテンなど,つくれるわけがない。だが,よくかんがえてみよう。
 これらの性質は,恐ろしい動物から自分をまもるための防衛手段として発達したものではないか。ならば,そんな動物の登場する前のサボテンには,これらの性質はなかったはずだ。
 サボテンにはもともとトゲがなく,また食べられるものであった。だからトゲのないサボテンをつくる可能性は十分にあるのだ。だがそれは進化ではなくて,退化というべきではないのだろうか。
 たしかにそうだ。しかし,そこがミソである。現状の形はあくまでそれた方向への進化でしかない。しかも行きづまっている。だからいちど退化して,そこからまっすぐ進化をやりなおすのである。
 遠くへ飛ぶには,いちど後ろにさがるだろう。それとおなじで,いちどトゲのない先祖の形にかえして,その原型をさらに強調するのである。
 そして,この発想こそが,バーバンクの進化論(ネオテニー進化)なのだ。
 彼の進化論にはさらに,もうひとつの特徴,すなわち「環境」がある。環境というと,ふつう人間をとり除いた自然をイメージするにちがいない。だがそれは古くさい固定観念でしかない。
 ここで発想の転換が必要となる。まずは人間中心の考えをとらないで,植物を見てみよう。植物にとって,環境となるものはなんだろう。いいかえれば,植物の生命にとってよい効果をもたらすものはなにか。
 それは太陽であり,水であり,土壌であろう。だがそれだけではない。さらに蜂や小鳥や蝶などがいる。鳥や虫がいないと,花粉の受精ができないし,種子もはこばれない。
 ここまでは古い意味での環境である。しかし植物にとって,まったく新しいタイプの環境の要素が登場したのだ。
 それが人類である。
 人類は,植物を保護し,種の維持発展に手をかすというすぐれた能力をもつ。そこで植物たちは,生命と種の維持のために自己をアピールする主な対象をかえた。
 それまでは鳥や虫にアピールしていた。しかし,その対象を人類にかえたのである。そこで植物たちは,人類の注意をうながすために,きれいな色や,かぐわしい香りをだす。わたしを見てちょうだい,食べてちょうだいとささやいているのである。
 人類は,この植物たちの声なき声にこたえ,植物たちの進化をたすけ,みちびくという重要な役割をもっている。植物の環境で最大の要素は,じつに「人類」であることをバーバンクは強調した。
 21世紀のバイオ技術は,このバーバンクの示した偉大な道,人類と生物の共進化という視点をとりこむことにより,おおきく発展するだろう。
  ~ こちら より引用 ~
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