『科学の扉をノックする』 … Book

  21, 2013 01:07
科学の扉をノックする (集英社文庫)科学の扉をノックする (集英社文庫)
(2011/03/18)
小川 洋子
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 本屋さんで この本のタイトルに惹かれ、  
 そして 「宇宙を知ることは自分を知ること」 という目次、
 著者が取材された方の中に、村上和雄 (むらかみ かずお) 氏のお名前を見つけて ^^
 なにかしらワクワク、嬉しくなり、即 購入しました。

 いろいろなお話が、分かりやすく、興味深く。
 その中で、いくつか、心にとまった文章を書きとめてみます。


  「我々の身体の炭素や窒素は、50億年以上前に、どこかの星でできたものなんです。
  しかもその星は爆発して、今はもうなくなっているんです」
  星が爆発して死に絶える時、その欠片たちを人間の中に託した。
  人間が死ぬとそれらは地球の中を循環し、いつか地球が滅びる時、
  宇宙にばら撒かれ、また別のどこかの星で何かの役割を果たす。
  「結局、一度誕生した物質は、無にはならないのです」
  死んだ人も枯れた花も干上がった川も、無にはなり得ない。
  姿を変えて宇宙を巡り続ける。
  宇宙を探索することは、自分自身とは何者であるかを探索することに等しくなる。
  
   ~ 1章 宇宙を知ることは自分を知ること ~ より


  「豚肉を食べると豚のタンパク質が体内に入ってきます。
  そこに消化酵素が出てきて、分解がはじまります。
  消化酵素が出てくると、
  出てこない場合に比べて分解スピードは約1億倍以上になるんです。
  酵素は昔は魔物と呼ばれていました。
  その酵素を作る情報が、遺伝子に書いてあるわけです。
  遺伝子のスイッチがオンにならなければ、消化酵素は作れません。
  こうしてすごいスピードで分解されたタンパク質は、
  アミノ酸という部品に分解されます。
  そのアミノ酸は全生物共通なんです。
  豚であろうが微生物であろうがタンパク質であれば一つの例外もなく、
  わずか20種類のアミノ酸を材料として共有しているのです。
  今度はその共通な部品を材料にして、
  人間に必要なタンパク質を組み立ててゆくわけです。
  この場合も、どんなタンパク質をどれだけ作れ、という情報は遺伝子に書いてあるんです。
  分解と合成、両方に遺伝子が働いているのです。」

  タンパク質の製造過程の見事さだ。
  まず、そのタンパク質製造に必要な暗号、つまり遺伝子のありかが探し出され、
  それが転写される。
  転写したい部分のDNAの二重らせんが解け(チャックが開き)、
  その間に、RNA(りぼ核酸)が入り込み、塩基の並び方をコピーする。
  このコピーがmRNA(メッセンジャーRNA)と呼ばれ、
  細胞の核の外へ暗号を運び出す。
  そこへ材料運搬係のtRNA(トランスファーRNA)が近づき、
  暗号を読み取り、必要なアミノ酸を運んでくる。
  こうして正しくアミノ酸をつなげてタンパク質を作ってゆくのである。
  この作業は細胞の中のリボソームという場所で行われている。
  「こんな複雑なことが、60兆個の細胞一つ一つで、整然と行われている。
  見事です。偶然とは思えません」

  「今の生命科学は威張っていますけれど、大腸菌様にも及ばないんです。
  世界の富を全部集めても、世界の技術を総結集しても、細胞一つ作れない。
  それは生命科学が駄目なのではなく、
  細胞一個がいかにすごいかということなんです。
  まして私たちの身体は60兆個の細胞から成っているんですよ。
  どうしてそれらが喧嘩もせずに、見事にコントロールされているのか。」

  「私たちの身体は宇宙のひとかけらなんです」
 
   ~ 3章 命の源 "サムシング・グレート" ~ より

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 そして、本ではないのですが、少し前にニュースになりました、
 「植物は隣の植物の声を聞く? 」 のお話も、興味深く、
 植物たちの世界へと続く扉?を少しだけノックした?内容です ^^


  … 拍手を、どうもありがとうございます (*- -)(*_ _)ペコリ
    とても嬉しく思います ^^ …

植物は隣の植物の声を聞く?

最新の研究によると、隣の植物の音を「聞いた」植物は、自ら成長を促進させるという。
音響信号を利用してコミュニケーションを取っている可能性があるようだ。

研究チームの一員で、
西オーストラリア大学の進化生態学者モニカ・ガリアーノ(Monica Gagliano)氏は、
「植物が“良き隣人”を認識することを実証した。
このコミュニケーションは音響的な信号の交換に基づくと考えられる」と話す。

つまり、植物は化学物質のにおいをかぐ「嗅覚」や、
隣人に反射した光を見る「視覚」に加え、
周囲の音を聞く「聴覚」も備わっている可能性があるというのだ。

「植物は、私たちの想定よりもずっと複雑な生物体だ」とガリアーノ氏は話す。

◆良き隣人

ガリアーノ氏の研究チームは、バジルなど、
雑草や害虫を防ぐ「良き隣人」の隣にトウガラシを植える実験を行った。
すると、単独で植えたときよりも早く発芽し、健やかに成長することが確認された。

光や化学物質の信号を交換できないように、
黒いプラスチックで隣の植物と遮断した場合でも同じ結果を得た。

つまり、トウガラシの若木は、隣の植物の種類を認識し、それに応じて成長しているようなのだ。
ガリアーノ氏は、「意図的かどうかは別にして、
植物細胞の内部で生成される音響振動がカギを握っているのだろう」と推測する。

「音というのは、媒体の制限が少なく、非常にしっかりと伝わる。
したがって、振動に基づくコミュニケーションは最も簡単で直感的な方法といえる」。

ガリアーノ氏の研究チームは昨年の研究で、
トウガラシが、ハーブの一種のフェンネル(ウイキョウ)など、
ほかの植物の成長を阻害する化学物質を放出する
「悪しき隣人」に囲まれたときにそれを認識することを実証しており、
今回の研究はその続編に当たる。

◆植物語?

ただし、植物が音に基づくコミュニケーションを行っていたとしても、
意図的なものなのか、「植物語」のような共通の方式が存在するのか、
詳細については一切わかっていない。

「それでも、“互いに影響し合っている”というデータがここに存在する。
すべてを説明できないが、その事実は変えられない」とガリアーノ氏は話す。
「仕組みはまだ不明だが、音に基づくコミュニケーション能力は、
おそらく植物の間で広く普及していると考えられる」。

同氏によると、音響信号は、植物が隣の植物を識別し、
その活動を予測する上で簡単かつ素早い方法だという。
化学物質信号の場合、特別な分子と受容体を作り出すことが必要となり、資源の面でコストがかかる。

◆成長促進

アメリカにあるカリフォルニア大学デービス校の生態学者
リチャード・エバンス(Richard Evans)氏は、今回の研究を受けて次のように話す。
「詳細な分析が必要だが、非常に興味深い成果だ。
未知のコミュニケーション手法の存在が確かめられた」。

ガリアーノ氏は、「コミュニケーションの秘密が解明できれば、
人類にとっても実用的なメリットがある」と話す。
例えば、農業で音を利用すれば、特定の植物の成長を促進したり、
抑制したりすることが可能になり、化学肥料や農薬などが不要になるかもしれないという。

研究チームの一員で、同じく西オーストラリア大学に所属する
マイケル・レントン(Michael Renton)氏は、
「ただし、音の影響の規模はかなり小さいかもしれない」と話す。
「発芽速度をほんの少し早めるだけであれば、
わざわざ音楽をかけるのは経済的に割に合わない可能性がある。今後の研究で確かめていきたい」。

 ~ こちら より、引用 ~
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